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□北の海のユン
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あっという間に楽しい時間は過ぎていきます。

すっかり三人の人間と仲良くなったユンですが、お別れの時がやってきました。
三人はユンと違って、ずっと海で暮らすことはできません。

「今までありがとう」

三人がお礼の言葉と、お別れの言葉をユンに伝えます。
この挨拶が終わると、ユンは三人を地上へ連れて行かなくてはなりません。

「みんな、ありがとう。スタウ、素敵な仲間が見つかるといいね。ビルゴ、早く友達を探しに行かなくちゃ。チタ、色々教えてくれてありがとう、ユン、言葉上手くなったでしょ?」

そう言ってから、ユンの胸に寂しさが込み上げました。
みんなが居てくれたことで、人の温もりを、優しさを知ってしまったユンは、涙を流しました。
海にふれていない頬に、涙が伝います。

それを見た女の子は、

「わたし、やっぱりユンと離れたくない。みんなともっと一緒にいたい!」

そう、大きな声で言いました。
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