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□北の海のユン
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遠く冷たい北の海に、孤独な人魚の女の子がいました。

人魚のユンは、来る日も来る日もその人が現れるのを待っていました。
幼い頃に聞かされた、とびきり素敵な物語。
もし、地上に住む人間が、本当に自分のことを好きになってくれたら、自分も人間になって、光あふれる地上で暮らせると。
もう、暗く冷たい海の底で暮らすことはないのだと。

今となっては誰に聞かされたのか覚えていませんが、ユンはずっと待っていました。
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