テキスト

□ハローM31
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随分と大人になりました。
自分の身のほどを知りました。
宇宙飛行士になる夢はとうの昔に諦めました。
この広い宇宙はどこまで続くのだろうと、胸をときめかせ、真夜中に家を抜け出し足を運んだあの公園は今はどうなっているでしょう。
結局、どこまでかなんて答えは無いのだと気付いてから、空を見上げることを忘れました。
そして、もう少し年をとってからは、230万光年先の相手に恋をしました。
広い宇宙の中の違う世界の存在に、わたしは少年の頃のこころを思い出したのです。
それでもわたしは大人になりました。
地上より見上げるだけの片思いでした。
あの頃の望遠鏡など、今は何処に置いてあるかの検討もつかないくらいです。
けれども、わたしが空に昇っていく時そばに行く機会があるならば、きっとわたしは白乳色の道を歩き、高らかに笑い手を振るのです。

「やっと会えたね、アンドロメダ。僕の赤い星」





END

アンドロメダは赤くないと思う。ぇ

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