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□神様に送るラブレター
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命が消えて無くなるとき、人は天国にも地獄にも行くわけでは無い。
ただずっと眠っているだけの闇だと、ばあばは死ぬ前に言っていた。
だから私は神様なんていないと思ってたのに、

神様。

私はあなたをうっかり見つけてしまいました。
なぜあなたはそんなに綺麗に笑うのですか?
なぜ私をどうしようも無く痛くさせたり、かと思えばしあわせにしたりするのですか。
どうして、どうして。どうしても私が憎いのですか?
私はあなたが嫌いです
私の不幸も何もかもあなたに繋がっているなんてあんまりだわ、神様。
愛しても愛してもあなたは私だけを好きになってはくれないでしょう?
やっぱり嫌いです、あなたの匂いが香るとこんなにも胸が苦しいから。
私はいずれ人間と恋をして結婚して子供を産み育て、それなりに穏やかな生活を送るでしょう。
それでもあなたを想って、時々泣くわ。
ただ、その、あなたの、
少し高い声とか、意地悪な言葉とか、
忘れたくないだけなの。


だからね
私のこと少しだけ触れてくれたあの瞬間が、永遠に続いたなら。


END

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