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□東の国のスタウ
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遠い遠い、東の国に、スタウという勇敢な男がいました。

スタウには二人の姉がいました。上の姉さんはとても優しく、下の姉さんはとても賢く、どちらも美しい娘さんでした。
ある日、上の姉さんに求婚する男があらわれました。
「どうか、お姉さんと結婚させてください。」
上の姉さんは、相手の男がお金持ちだったので、裕福ではない家のために結婚しようと考えましたが、下のお姉さんとスタウはどうも納得できません。
そこで下のお姉さんはスタウと男にこう言いました。
「もし、向こう山の竜の爪をあなたが持って来られたなら、姉との結婚を認めましょう。しかし、スタウが先に持って来たら、姉との結婚は諦めてください。」
それを聞いて男は言いました。
「良いでしょう。もし私がその勝負に負けたなら、私の持つ馬も、羊も、みんなあなた方に差し上げましょう。」
こいつ、おれに負けるわけが無いと思っているな。
そう思ったスタウは、姉さんたちのためにも自分が必ず竜の爪を持って帰ると決心して、向こう山へ旅立ちました。
しかし男は、旅立つスタウを見るとほくそ笑み、竜の姿に変身しました。
男は、東の国の馬や羊を盗み、食べてしまう、となり山の悪い竜でした。
「向こう山の竜なんか、すぐに殺してやる。」
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