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□東の国のスタウ
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「どうせなら、あの生意気そうなスタウとかいう奴も、ついでに殺してしまおう。」
そう考えて、スタウが向こう山の竜のもとへたどり着くまでじっと空から見ていました。
そして、いよいよスタウが向こう山の竜を見つけると、となり山の悪い竜が空からあらわれ、
「お前たちにはここで死んでもらう!」
そう言いながらスタウに襲いかかろうとします。
「さてはおまえは、あの男だな。人間の姿になって騙そうと思っていたみたいだが、そうはいかないぞ」
スタウは剣を抜き、勇敢に戦おうとします。悪い竜は、しぶといスタウを後回しにして、先に向こう山の竜を殺してしまおうと、噛みつこうとしたその時でした。
「あぶない!」
向こう山の竜をかばおうと、スタウは悪い竜の前に飛び出し、剣を構えます。
悪い竜はスタウの剣に噛みつき、剣は折れてしまいました。
それを見た向こう山の竜は、
「こんなに勇敢な人間を見たのは初めてだ。」
そう言い、スタウを自分の後ろに下がらせると炎をひと吹き、あっという間に悪い竜をやっつけてしまいました。
「助けてください、もう悪さはしませんから」
命ごいする悪い竜を見て、スタウと向こう山の竜は、悪い竜を逃してやることにしました。
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