テキスト

□俺の青春は青く、そして赤かった。
1ページ/1ページ

「恋愛なんてものはね、ほどほどが良いんだ。深く、何よりも、好きになってはいけない」

「でも、本気で好きにならないと楽しくないよ」

「他のものに夢中になればいいさ。恋愛だけが全てじゃないだろ。本気になったら辛いだけさ、人の心なんてもんは特にね」

おじさんはそう言って帽子を被り直した。
今日はいつまで飲んでくの、と言いかけて口をつぐむ。
窓から差し込む夕日の光がおじさんの頬に影を落として、それが何だかかっこよかった。
いつも一緒にふざけて笑っているおじさんとは別人みたいだ。

おじさんは、辛い恋をしたのかな。

僕もまた、そんな恋をするようになるのだろうか。

「悲しい酒だね。」

僕がそう言うと、いつもの笑顔で頭を乱暴に撫でられ、髪をぐしゃぐしゃにされた。





おじさんはガンマンかカウボーイのイメージ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ