テキスト
□俺の青春は青く、そして赤かった。
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「恋愛なんてものはね、ほどほどが良いんだ。深く、何よりも、好きになってはいけない」
「でも、本気で好きにならないと楽しくないよ」
「他のものに夢中になればいいさ。恋愛だけが全てじゃないだろ。本気になったら辛いだけさ、人の心なんてもんは特にね」
おじさんはそう言って帽子を被り直した。
今日はいつまで飲んでくの、と言いかけて口をつぐむ。
窓から差し込む夕日の光がおじさんの頬に影を落として、それが何だかかっこよかった。
いつも一緒にふざけて笑っているおじさんとは別人みたいだ。
おじさんは、辛い恋をしたのかな。
僕もまた、そんな恋をするようになるのだろうか。
「悲しい酒だね。」
僕がそう言うと、いつもの笑顔で頭を乱暴に撫でられ、髪をぐしゃぐしゃにされた。
了
おじさんはガンマンかカウボーイのイメージ。