織り為す時の流れの中で…

□第三話
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コーヒーの熱い液体が喉を流れる感覚に、ようやく一心地つく。

「ようやく一息ついたようだな。」

クロロが笑いながら問いかけた。

「…多少は。でも威圧感の強いオーラばかりで落ち着かない…。」

メイシュがシャルナークとフィンクスを見ながら上目づかいにそう漏らすと、クロロは口に手を当て笑みをこぼした。

「そればかりはどう仕様もないな。抑えてはいるだろう?」

シャルナークもフィンクスもそしてクロロ自身も、旅団員なだけあって並の一般人の想像範囲を遥かに越える身体能力やオーラの保持を自負している。

ただここには幼いアイシャがいる。

過度のオーラに一般人が長時間触れるのは決して好ましい事じゃない。
体調に悪影響を及ぼす事もあるから、各自ギリギリ最低限までそれを落としていた。

なのにそれでも彼等の力量察したという事は、先程一回剣を交えた時も感じた事だが、彼女自身も一般人を遥かに凌駕するかなりの使い手だと言う事である。

「それより追われていた理由を聞いても?」

クロロのその問にメイシュは静かに首を振る。

「ここには礼と侘びを述べに来ただけの事。長居するつもりはない。新たな追跡者が来る前にここを離れないとまた迷惑をかけてしまう。」

コーヒーの礼を言い席を立とうとしたメイシュを止めたのは、予想外にフィンクスの声だった。

「今からの移動は可哀想だぜ?」

ふと見るとフィンクスの足の上に座り、彼の胸に寄りかかりながら静かな寝息を立てるアイシャの姿があった。

「そんな、今ジュース飲んでたのに…」
「飲み終わったら即、だったぜ?追われて走って疲れたんじゃねぇの?」

そんなフィンクスに携帯のカメラを向けるシャルナーク。

「世にも珍しい瞬間を激写〜!」
「あっ!テメェ!シャル!このヤロウ!」
「静かにしないとアイシャ起きちゃうよぉ!」

シャルナークに面白おかしくからかわれ、怒りに赤面するフィンクスの様子に口元がゆるんだ。

「ったく、煙草も吸えやしねぇ」

ぼやく彼の様子は口調と全然違って、本当に旅団員なのかと思う程に可愛らしく見えた。



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