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□雨の日の過ごし方
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「雨かぁ…」
私は窓の外を見ながら呟いた。
降り止む気配の無い雨は、シトシトと外を濡らして行く。
「どうしたの?」
「雨嫌いなの?」
ネスとリュカが私に話し掛けてきた。
「雨なんて嫌いだよ。ジメジメするし憂鬱になるし…何より外に出られない!」
「雨の日でも外に出られるよ?」
「雨の日の外も結構楽しいんだよ!」
二人は『来て!』と言うと私の手を引っ張った。
「…何が楽しいの?」
外に連れて来られた私は、雨合羽と長靴を装備した二人に木の下に連れて行かれた。(もちろん私は傘をさしている)
「ちょっと待ってて!」
ネスがそう言うと、二人は傘を用意した。
「合羽の上に傘って…」
私が呆れていると、急に傘の上に落ちてくる雨の量が多くなった。しかも雨粒も大きくなった様で、パラパラとしていた音がボタボタと変わった。
「ちょ…これヤバいんじゃない?早く戻ろうよ!」
慌てて二人を見ると、何やら集中している様で目を閉じている。
「…まさか‥」
私は慌てて周りを見てみる。
木の下以外は先程と同じ様な小雨寄りの雨だ。
そう。
"木の下以外"は。
しかも頭上からは不自然なくらいにガサガサと音がする。
上を見てみると、風も吹いてないのに木が揺れていた。
「…アンタ達の仕業?」
「へへっ」
「凄いでしょ?」
私が呆れて二人を見ると、誇らしげに言ってきた。そのせいか、木の揺れはおさまってしまった。
「いや…うん…。楽しい?」
「何言ってるんだ!楽しいじゃんか!」
ネスが反論してきたが、私にはサッパリわからない。
「えーと…どの辺が?」
「音かなぁ。いきなり音が強くなったりしたら面白いよ!」
「リュカまで…。何?アンタ達は以外に芸術家なの?」
「芸術なんて僕たちわかんないよ」
「ただ面白いだけだよ。ねー?」
…子供って時々わかんない。
私の頭が堅すぎるだけなのだろうか。
「わかったわかった。やっぱり私にはわからないから部屋に戻るね。」
ひらひらと手を振って戻ろうとしたら、二人に服を掴まれた。
「まだ帰っちゃダメ!」
「まだ凄い遊びがあるんだよ!」
二人の目はキラキラしていて、帰してくれる雰囲気じゃなかった。
「いやあのね、私だって暇なわけじゃなくてやる事が…」
「次のはもっと凄いんだよー!」
「僕たちのPSIはまだまだこんなモノじゃないんだから!」
そのまま私は二人にずっと付き合わされた。
雨粒を凍らせて、そのままサンドバック君目掛けて凍った粒を飛ばしたりとか。
水溜まりの水を宙に浮かせて絵を描いたりとか。
あと雨を操った水鉄砲もくらった。
屋敷に戻った時はもう泥だらけのびしょ濡れで、ピーチ達に呆れられたのは言うまでもない。
雨の日はやっぱり苦手だけど
三人で雨の中過ごすのは楽しい。
そう思った。
次に雨が降った日は
びしょ濡れにならない程度に遊ぼうね?
end
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