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□光の果て
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【シオン篇】
死刑宣告。そう言われた気がした。
誰だって死ぬものよ。それはわかっていた。頭ではね。
そこから逃げられる。そしてまたあの時をともに過ごせると…そう言われた。
どうして私だけがこんな目に合うんだろう。
どうしたらいいの?
皆だってこんな…私を避けようとしているんだから…。
でも、私は……
「どうして…みんな邪魔をするの?」
私を苦しみから解放してくれると、彼はそういってくれる。
みんなは…そんなこと言ってくれないじゃない。
彼だけが私の側にいてくれると、はっきり言ってくれた。
もう、考えることに疲れたの。
放っておいて。私を苦しみから解放させて。
私の痛みをわからない人に、解放なんて出来ない。
「彼とともに行くわ」
だから、邪魔しないで。
----僕には理解できる。
そういってくれた。
私…逃げていたの?
「私は、あなたと一緒にいられればそれでよかった」
でもそれは、逃げてるだけだったのね。
喜び、幸せ。
「皆と共有できないのならば、幸せになる意味は無い」
私はずっと支えられてたんだ。
ひとりで空回りしていただけだったのね。
こんな私を、まだ迎えてくれる。