*忍たま 短編 Novel*

□食満さんの不運な日常
1ページ/2ページ



「あぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁああぁ!!!!!!!」




同組の奴の,聞きなれた悲鳴が聞こえた。



聞きなれてしまうほど彼を助けに行ってるのか,それともただ単に彼が悲鳴を上げる回数が多いのか。


まぁどちらでもあるだろう。


毎度毎度のことなのであとまわしにしようかとも思ったが,それはあまりにも可哀想かと思い直して探しに向かった。


…あまり気が乗らない




食満さんの不運な日常





意外と早く見つかった。



なんだか不自然にトイレットペーパーが転がっていたからだ。


近くには大きなタコ壺。


どうも彼はこれに落ちたらしい。





「おい,伊作」



「あ,留!!」



呼びかけると,彼は嬉しそうに顔を上げた。



「なんでまたこんなもんに落ちてんだよ」



「トイペ補充しようと思ってたら落ちた」




理由になっとらん。



おそらくコレを掘ったのは,作法の綾部喜八郎だろう。


どこでもかまわず掘るからなアイツは。


楽しいのか。



「…小平太と同じだよ」


「あぁ,なるほど」



奴らはきっと前世がモグラかなんかだったんだな。



それにしても伊作を助け出さねばいけない。




「ちょっと待ってろ。縄かなんか持ってく…うぉあぁぁ!!!!



「留!?」


俺が立ち上がると同時に足元が無くなった。



「…イテェ…」



どうやら伊作の隣に掘ってあったタコ壺に落ちたようだ。



「大丈夫…?」


「あー大丈夫大丈夫」


なんか伊作のより深い気がする。

これは登れないだろう。誰かが見つけてくれるのを待つしかない。


「これだからお前といると…」


「え?何?」



不運の原因の隣の声も,言ってるほど嫌ではない自分に,俺は小さく苦笑した。




end.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ