*忍たま 短編 Novel*
□兎は月に恋をする
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「綺麗だなぁ」
裏々山へのランニング。
いつも通りの委員会活動です。
迷子になる三之助を探して捕まえて、疲れて動けない下級生を負ぶって。
やっと頂上に辿り着いた時には、もうとっくに日は沈んでいました。
ちらりと見上げた空は、美しい満月。
「綺麗だろうけど、疲れててじっくりと見る気力もないです…」
下級生と共にずるずると座り込めば、あなたは豪快に笑います。
月を見上げるあなたに、私は見とれてしまいました。
そうです。
私はあなたが大好きなんです。
下級生の眼も構わず、あなたの広い背中に抱きつきたいくらい。
大好きです。
大好きなんです。
でも、私は……