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□嘘つき
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暗い暗い暗い


自分が立ってる場所以外には何も無い
真っ暗だ


怖い

怖いよ、


ひとりぼっちだ







「…っ……ぁ……」



気が付いたら自分の部屋だった



うなされてたのか、汗が酷い

視界がぼやけて見える

冷たい物が、頬を伝っていく



止まらない




「……将、く…っ」



名前を呼んでも、その人はもういない


一週間前、将君に別れを告げられた


何の前触れもなく、いなくなった


まだ別れた事を受け入れられなくて、ずっとこんな夢を見る


1番怖かった事が現実になった


やけに枕元がチカチカしてて携帯を見ると、着信のランプがついていた


まさか、って

一瞬期待して、涙を拭いながら確認すると虎氏からだった

(きっと昼間話してた楽器の事かな)


そうだよ、将君からはもうこんな時間に連絡は来ない

仕事仲間、バンドのメンバー


ただの、友達





もう俺だけの人じゃない



そう思えば思う程また涙が零れた


いつからこんな泣き虫になっちゃったんだろう


将、将くん

早く帰って来てよ


俺泣いてるよ
いつもすぐに抱きしめてくれたじゃん


どうして

どうしていなくなっちゃったの?




またぎゅって抱きしめて

別れるなんて冗談だよって、

他に好きな人が出来たなんて

今までみたいな友達に戻ろうなんて




全部嘘だって言ってよ





「…忘れさせてよ………」





END


いきなり別れ話

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