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□小さな幸せ
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基本、俺様主義だったり
一人でいたりする事が多い


「起きてよ瑠樺さん」

「………」


付き合ってからも相変わらずで、必要以上にベタベタなんかしてない

今も


「お腹空いたー!起きろ!」

「…自分で何か食え…」


布団を頭まで被って、呻いてる。無理矢理にでも惰眠を貪ろうとしている瑠樺さん

その上に跨がって、脅しながら布団を引っ張る。とりあえず頭を出させるのに必死な俺

恋人同士の甘い雰囲気なんか微塵も無いね


という訳で、ムカついたから布団の中に遊んでた虎王を入れてあげる

仕方ないから一人でコンビニ行こう…



「何かいる!何かいる!」


朝から煩いな






 

危うく愛犬を踏み潰す所だった


「眠いなら寝てればいいのに」

悪魔でも素直じゃない、左側を歩く張本人


「咲人が迷子になったら大変だから」
「氏ね」

毒舌にも慣れた。
だって本当にキレてたら、今握ってる俺の手も振りほどいてるだろうし


「寒い」
「はいはい」

手を離そうとすると逆に握り締めてくる
可愛い奴め



「いらっしゃいませー」



でも、コンビニに着くと離れる手
妙に温かい左手が逆に寂しいから、ポケットに収めた

そのまま咲人は飲食物コーナー、俺は雑誌コーナーへ
(面倒だから選ぶのは咲人に任せる)



「買った」
「ん」

財布を返して貰って、店を出る
寂しかったからすぐに手を繋いだ。ほっそい指。

荷物を受け取ろうとしても、重い方は絶対渡さない。そんな所がコイツ根は優しいんだよな、なんて思ったり



「瑠樺さんにはリラッ●マのパン買ってあげたよ」
「リラ●クマかよ」

「…あ」
「ん?」

急に立ち止まるもんだから、買い忘れかと思ったら俺の反対側に移動してた

「何だよ」
「いいの」

また手を握ってスタスタ歩きだす。

そういえば、


「何でお前、車道側歩くの」


何と無く聞いたら、俺見てふにゃって笑いながら

「内緒」って


どうやら機嫌は直ったみたいだから、疑問は家に帰ってからじっくり聞く事にする







「内緒」

だって

『瑠樺さんがまた当て逃げされないように』

守ってあげてるの。俺だって男だから

でも言ったら、瑠樺さん拗ねるでしょう?

とりあえず家に着くまでに言い訳考えなきゃ





END

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