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□帰り道
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「お疲れ様でしたー!」
「終わーったぞー!」
「ちょ、葵ちゃんはしゃぎすぎ」
夕方過ぎ、長い長い編集作業が一段落した
(疲れすぎて葵ちゃんはテンションおかしくなってる)
片付けを済ませて外に出ると、先に終わってたれいたが待ってた
「お待たせー」
「お、やっときた…あ゙ー…腹減った…」
「帰りに何か食べて帰る?」
「食うー!」
れいたの家に泊まって仕事に来たから、再び彼の愛車に乗り込む
すっかり運転席にいる姿が様になってる幼なじみを見ていると、昔の自転車引いてる姿を思い出してにやけてしまった
「何だよ気持ち悪い」
「お前も大人になったねぇ」
「あ?」
「昔は可愛かったのに…最近じゃ随分男らしくなっちゃって」
「…俺もお前が露出狂になるなんて思わなかった」
「何か言った?」
別にーなんて言いながら、目を細めて笑ってる顔は昔から変わってない
変わったといえば、その顔を見る機会が増えた事で
「れいた」
「ん?…っ、」
信号待ちで暇そうにしているれいたの顎を掴んで、軽く口付ければ一気に真っ赤になる顔
「こういう関係になるのも考えた事無かったね」
驚いている顔を見ていて、ますます上がる口角
俺たぶん今すごいニヤついてる
「っ、おい」
「ん?」
信号が変わってまた走り出してからぽつり
「…こうなった責任、ちゃんととれよ…」
耳まで真っ赤にして、前を向いたまま小さく呟く
そんな事言わなくても、離れる気は無いのに
「お前が俺嫌になっても離れないから」
昔も、これからもお前の隣は俺だから
END
初、湘南