ネタ試し書きまとめ
□刀匠式神主
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カーン…カーン…
炉の近くで熱気を浴びながら今日も刀を打つ。
今まで何振りも打ってきたが、ここの審神者には気に入らなかったらしく部屋の隅には折られた刀が幾つも山を作っている。
最近は資源が枯渇してきたらしく一日一振り、若しくは数日に一振りと鍛刀する事が少なくなった。
その分一振りに思う存分集中出来るから、これはこれで有り難い。
特に今日は玉鋼の状態が凄く良い…これまでで一番の刀が打てそうだ。
最高の出来の刀が打てた満足感に刀を審神者が解る所に置き寝た。
そんな私を待っていたのは、霊力が無くなり暗い雰囲気と火が消えすっかり冷えた炉がある鍛刀部屋だった。
障子を開けて外を見れば、何の気配もせず霊力で保たれていた景色も真っ暗。
さて…少し私の話をしよう。
私は元々神格の高い神だったりする。
それも武器を司る神だ。
そんな私が無理矢理縛られ契約させられ記憶を封じられ声を取られた結果が式神だ。
ん?何故そんな話をするか?
それは…私が解き放たれたからだ。
「あの刀は持ち去られてしまったか…」
ゲートも繋がりが切られたらしく暗闇。
廃墟と化した本丸、居るのは私一人。
ならば、此処はもう私の住まう地にしてしまおうか。
記憶も神格も取り戻した私にはこの位の空間を神気で満たす事は呼吸する程度の事。
緑が芽吹き花が咲き乱れ、枯れた池は澄んだ水が湧き、空は雲一つない快晴。
何処からともなく飛んできた鳥の囀りを聞きながら前より熱気を放つ炉が待つ部屋に戻る。
「さぁ…私の本域を見せてやろう。」
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長くなった…
最後に打たれた三日月は後々黒本丸から助け出されると思う。
設定を掘り下げると…
摘発に来た政府役人が刀匠主の事知らずにマニュアル通りに式神契約切ったけど、本部に帰ってしこたま怒られる。
慌てて目を覚ます前にもう一度契約で縛ろうとするが、ゲートの復旧に数日掛かり繋がった時には他より神気もステも高い刀剣男士が何人も…って感じ。