ネタ試し書きまとめ

□お供になった稲荷神
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※既存キャラの流血+消滅表現


@



お願い致します…

どう、か、ど…か、鳴狐を…
た、す…け………






長らく願う者など居らぬこの見付けにくい社に切実な声が聞こえたかと思えば…


「同胞よ…鳴狐、とは…その刀か…」


生きた月日や大小は違えど元は同じ狐…その同胞の姿に胸が痛む。

綺麗だった筈の毛並みは乱れに乱れ、毟られたように毛が無くなった場所や切られたような場所からは血が滲む。
三角の形をした耳は片方が途中から千切れかけ、荒い息を吐く口からは血が滴り目は今にも光を失いかけていた。


「……そうか…同胞の願い…同じ狐の名を持つのも縁よな…私が預かる故ゆるりと休め。」


最早荒くもか細い呼吸しか出来ず言葉も話せない同胞の心の内を読み取り話を進めれば、安心したのか目を閉じた同胞は光の粒子となって消えていった。
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