Novel

□Trick?
1ページ/3ページ

ドガッ!

「はーい衛!Trick or Treat!」

けたたましくドアが開かれたかと思うと、黒いトンガリ帽子を被った遥が仁王立ちしていた。

「全く…どうして静かに入って来れないのですか…。」

遥を見る事もなく溜息を吐き、衝撃で崩れた書類を纏める。

「ちょっとちょっと!この姿が判らないの?!」

ズンズンとデスクの前まで駆け寄って来て、帽子に手をかけポーズを決める。

…………………………
……………………………
さて、仕事しますか。
私は見なかった事にして、書類をめくる。

「ハロウィンよ?!…疎いのは判ってたけど、まさかハロウィン知らないの?!」

デスクに手を付き身を乗り出して、心底「信じられない」と言う顔をしている。

「ハロウィンは知っていますよ。ケルトに於ける一年の最後の日にあたり、死者の霊が訪ねてくる…」
「え?そうなの?!何かお盆みたいね…。」

被り気味に遥が驚く。
大方、お菓子が貰える日ぐらいの認識なのでしょうね…。

「ほら、それよりもTrick or Treat!お菓子ちょうだいよ!」

ああ…やっぱり…。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ