ヴァリアーパロ
□吉報……?
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雲雀が暴れる事無く立ち去った事で
気が楽になった綱吉は、晴れやかな気持ちで修業を再開させようとしたが
「……どう言う事か、説明して貰おうか?」
ベルフェゴール・マーモン・フランの三人に取り囲まれ
小さく正座をしている、偉大なボンゴレ10代目の姿が在った。
『吉報……?』
立場は当然、綱吉のが上なのだが
そんな事はお構い無しに三人は
綱吉に対し、殺意を剥き出しにしている。
「10代目は守護者達に、どんな教育をしてるんですか?」
「霧の守護者は変態だし、雲の守護者は暴走するし……」
「嵐の守護者は役立たずだしな?」
「……最後のは、デリケートな話なので、余り触れないであげて下さい……」
ラルを大切に想っている彼らの怒りは尤もで
責任者で在る綱吉が責められるのも、当然の事なのだが
このままでは、自分の命が危ないと
綱吉は冷や汗を大量に流しながら、必死に辺りを見渡す。
だが、唯一彼らを止める事が出来る人物……
ラルの姿は、何処にも無い。
そんな綱吉の前にしゃがみ込んだベルフェゴールは
空になった匣を見せ付ける。
「姫は今、鬼ごっこ中だぜ?」
「このアジトは広いですからねー。当分は、戻って来ないと思いますよ?」
「諦めて、覚悟を決めなよ?」
「あっ……まっ…て…」
綱吉の悲鳴は、アジト中に響き渡ったとか、渡らなかったとか……
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