義姉弟パロ
□気付いた事
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ラルが困り果てていると、不意に後ろから肩を叩かれた。
「よっ!応援に来てくれたのか、ラル。」
「たけっ……じゃなかった、山本先生。…えっと、今日は弟がお世話になります。」
「ははは!無理しなくって良いぜ?俺に敬語使う生徒なんて殆ど居ないし、コロネロとスカルは普通に『武兄』て呼んでるぜ?」
昔と変わらず人好きのする笑顔で頭を撫でる山本に、ラルの表情も緩む。
「それにしても、ラルは相変わらず弟想いなのな。わざわざ試合を観に来るなんて。」
「いや、あのバカ!弁当忘れて行きやがったんだ!人が折角作ってやったと言うのに!!」
(……わざとだな。)
怒りを表にしているラルに、山本は苦笑を浮かべる。
「悪いけど、これ、あのバカに渡しといてくれないか?」
「OK!」
ラルは山本に弁当を渡す。
「多く作り過ぎたから、良かったら武兄も食ってくれよ。」
「おっ、良いのか?ラルの手料理食うの久しぶりだな〜!」
山本は嬉しそうな笑みを浮かべる。
「弁当はちゃんと渡しとくけど、折角来たんだから試合も観て行ってくれよな?コロネロも喜ぶぜ!!」
「……そうしようかな、とは思ったのだが…」
気付くと観客は更に増えており、とても近付けそうにない。
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