キリリク2

□後悔
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トゥリニセッテを守る事を使命とし


人柱として、トゥリニセッテと同化したアルコバレーノと

その、なりそこないのラル・ミルチ。




呪いによって、赤ん坊として生きる事を余儀なくされてしまった


彼らの人生は、大きく変わってしまった。




青色のおしゃぶりを持つ、雨のアルコバレーノ・コロネロは


本来ならば、その呪いとは無縁で


一人の人間として。



人間らしく、その人生を全うする事が出来たハズだった。



だがコロネロは


アルコバレーノになった事に対しは

全く、後悔はしていなかった。




一人の男として。


愛する女性を守り抜いた証でも有る、青色のおしゃぶりは


コロネロの誇り、その物なのだ。




唯、一つ。


コロネロの心残りとなっているのは





「……ラル……」





本来、青色のおしゃぶりを受け取り

雨のアルコバレーノになるハズだったラル・ミルチ。



コロネロが命懸けで守った彼女の呪いは、不完全で

いずれは解ける事になっている。




一人の人間として。


いずれは人間らしい人生を送る事を赦されている


彼女の邪魔はしたくないと別れを選んだのだが





「本当…未練がましいよなコラ…」





一人の男として。


自分の手で、愛する女性を幸せにしてやる事が出来ないのが



コロネロは、何よりも悔しくって仕方なかった。












『後悔』













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