02/10の日記
21:27
Scene3 太陽の光
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「…一歩も外に出た事無いって……どうしてですか?」
綱吉の言葉に首を傾げるランボに、リボーンは軽く溜め息を吐く。
「……あの面とスタイルだ。ラルには『兵器』以上の価値が有ったて事だ。」
「あ…ゴメン……」
軽率な発言をしてしまった自分に、奥歯を噛み締めてるランボの頭を、綱吉は優しく撫でる。
「…けど、それで何で…あんな火傷の痕が……」
「故意的に付けられたからだろ?」
「………」
小さく舌打ちする山本が、こんな答えで納得する訳が無い事位は雲雀も分かっており、更に言葉を続ける。
「……彼女を完全に支配する為にだよ。人間だろうが、獣人だろうが…どんな生き物でも支配するには、その相手に『恐怖心』を植え付けるのが、一番手っ取り早いからね。」
「ふざけおって……何様のつもりなんだ!?」
「神様……にでも、なったつもりなんでしょうね。人間とは、実に愚かな生き物ですからね…」
皮肉な笑みを浮かべる骸だが、その瞳には怒りが込められている。
その昔、ファミリーによって人体実験にされた骸には
ラルの苦しみが、痛い程に理解出来るからだろう。
「……おい、ツナ?何故、ラルを此処に連れて来た?」
リボーンは綱吉に問い詰める。
「確かに此処には、ラルを傷付け様とする奴は居ないだろう。……けど俺達は、ラルを傷付けた奴らと同じマフィアで、此処はラルが長年閉じ込められていた所と同じ、マフィアのアジトなんだ…」
「ラルにとっては、俺らとソイツらは、何の変わりはねーよな、コラ…」
此処に来た事でラルの傷が、更に深まってしまうのではないかと、一同不安になる。
「うん…それは、そうなんだけどね。……でも、ラルなら大丈夫だよ。」
そんな不安を取り払うかの様に、綱吉は微笑む。
「何で、そう言い切れるんだ、コラ?」
「あの娘は馬鹿では無いですからね。人間の全部が全部、悪い連中では無い事は理解しています。……だから、半年の時間は掛かりましたが、ラルを傷付けた連中と同じマフィアの俺とボンゴレにも、心を開いてくれました。」
「そっか……だからヴェルデも、此処に呼ばれたんだね?」
気心が知れてる人物が側に居る事は、ラルには大きな安心になるだろう。
「……俺はね。ラルに太陽の光を浴びさせてあげたいんだよ。」
一同、綱吉の言葉に耳を傾ける。
「人間に怯える事無く、大空の下を自由に駆け回って欲しいんだ。」
人間に対して恐怖心を抱いてしまっている今はまだ、ラルを外に連れ出してやる事は出来ない。
「ラルが人間に慣れるに最適な場所は、此処しか俺には思い浮かばなかったんだよ。……此処には、俺が心から信頼出来る人物達しか居ないからね。」
そう微笑む綱吉に、周囲の表情も少し明るくなる。
「大丈夫…多少、時間は掛かるかもしれないけど必ず、皆とも仲良くなれるよ。」
その突破口は既に、綱吉とヴェルデが、半年掛けて開いているのだ。
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