SHORT
□猫はコタツで…
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『あ…雪…。』
朝、部屋のカーテンをバッと開けると雪が浅く積もっていた。
ガラリと音を立てて窓を開けると冷たい風が部屋に侵入。
すると、後ろの方で布団がモゾリと動いた。
私が後ろに振り向くと、布団の中から銀色の髪がひょっこりと出ていた。
「…寒い…。」
ダルそうに出された声の主は布団を体に纏ったままベッドから降りた。
まぶたは今にも落ちそうで綺麗な銀色の髪はボサボサ。
その姿を見て苦笑いすると窓を閉める。
その瞬間、後ろから暖かいものに覆われた。
『…ほら、コタツ出してあげるから離れて。』
「んー…。」
そう言うも離れる気配はまったくない。
ため息をついてなんとか抜け出すとその場に放置してコタツの準備をはじめる。
「沙柚希ー…さむいー…さみしー…。」
『はいはい。』
適当にそう言って軽くあしらう。
いつもの詐欺っぷりからは想像できない姿とセリフに思わず呆れる。
コタツが準備できると、彼を引きずりコタツに突っ込んだ。
「んー…あったかー…。」
顔だけコタツから出すと、私を見て頬を緩ませながら幸せそうに言う。
…猫はコタツで丸くなる…か…。
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