おはなし

□遮断と開放(仮)
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道具にされている。

人間扱いとはどういう意味か僕にはもう分からない。
・・・今までそう扱ってもらえたことが、僕にもあったのかな。
そんな記憶は殆どないけれど、今は間違いなく道具にされている。
都合のいい、僕は人型の防衛線。
こんなのは本当は嫌だ。
冷たい鉄壁に囲まれて追い詰められている気分。
死ぬのも侭ならない。
確かに選択肢はあった。
でも僕にはありえない選択肢で、こうする他何も出来なかった。
体も、精神も、弱い自分。
僕なんか消えてしまっても、世界に影響なんかまったくない。
何も無かったみたいに明日はくるだろう。
塵みたいな存在。
それが僕だったのに。




そんな消し飛んでしまいそうな僕に目的を与えたのは
何故ですか?
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