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□嘘の日
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高三+たまき。たまきは理解者です。ダメな方はご注意くださいませ。
「高虎殿のバカーッ!」
「んだとバカにバカ呼ばわりされる筋合はねえ!」
「今日が何の日かも知らない高虎殿がバカなんです! もういい!」
「あっ…ちょっと待て三成ーっ!」
からかい過ぎたかという高虎の呟きは、走り去った三成には当然届かなかった。
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「…それはさ、殿が悪いよ」
諭すようにたまきが言う。
「顔合わせていきなり『貴方が嫌いだ』なんて言われたらさあ、いくら冷静が売りの高虎様だってカッとなるって」
しかも恋人なのにさー今頃凹んでるかもよかわいそうにと、たまきはずけずけと容赦がない。流石は鬼左近の娘である。
「…やはり…俺がバカなのか…」
涙目を通り越して今にも雫がこぼれそうな潤みっ放しの瞳に、たまきはやれやれとため息を吐いた。
「高虎様は殿に甘いけど、今回のことは早く謝ったほうがいいよ。今から行っておいで」
きちんと説明するんだよと念押しして、たまきは三成を追い出した。
「…ま、高虎様は分かってるけどね」
高虎様っていじめっ子だなあと呆れると同時に、前任保護者であった父をも思い起こす。
「…偉大だったんだなあ、島左近」
あ、今のは本心だよと、たまきは慌てて空に向かって取り繕った。
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「…ごめんなさい」
「良し」
「……え?」
「もう良いさ。但し」
明日、いや深更過ぎたらすぐに『本心』を言ってもらうと、高虎は三成に告げた。
それは、今日三成の元を訪れるということも意味している。
「…わかりました」
閨で何をされるか分からぬが悪いのは己だと反省しているから、三成は素直に頷いた。今日また会えるのが嬉しくもあるのだから大概だ。
一方、騙すように三成の言質を取った高虎は、会心の笑みを浮かべた。
「まあ俺もからかい過ぎたがな」
あんな真っ赤な顔で嫌いだと言われても説得力はないわなと笑う情人の言葉に、己の想いが正しく伝わっていたことを知らされた。
「なっ…わかってて…」
「当たり前だろうが。…尤も、やっぱり面と向かって『嫌いだ』なんて言われるのは御免だがね」
だから意趣返しをさせてもらったと嘯く情人に、三成は怒りと羞恥で真っ赤になった。
「貴方って人は…そんなところは大」
嫌いとまで言わせず、高虎は三成の唇を塞いだ。暴れる身体を抱き締め、背筋を撫で下ろして熱を持たせる。
抵抗が止み、背を叩いていた拳が開かれ縋り始めたところでようやく唇を離した。
「言ったろ? 嘘でも『嫌いだ』なんて言われたくねぇって」
だから今宵は嫌ってほど本心で啼いてもらうぜと、高虎は三成の耳に吹き込んだ。
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バカップルですね〜もう仕方ないね!
戦国にエイプリルフールないとか気にしちゃダメ!日付変更もいつかなんて(以下略)…すみませんでした―。
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