Short◆S-H
□勝負の行方
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「俺は貴方に勝った気がしない」
「そりゃあ気が合うな。俺も同じだ」
むしろ負けたと思ったから欲しくなったんだがなと、三成の着物をはらりはらりと落としながら、楽しそうな笑みを浮かべる。
肌を滑る指と唇に翻弄されながら、三成は吐息混じりの言葉を紡ぐ。
「負けたと思うなら、何故、俺を抱くのか」
「言ったろう? アンタが欲しくなったって」
それに、と高虎は笑いながら三成に口付ける。
「アンタも言ったじゃないか――俺に勝てなかった、と」
だから俺が、アンタを貰うことにしたと、高虎は告げた。
傲慢とも思えるそれに抗えなかったのは、きっと、認めてしまったのだろう。
今此処に囚われているのは己の意志だ、と。
何より言葉とは裏腹な優しさに満ちた愛撫に、三成の意識はさらわれる。
「ならば――証を、ください」
己を誰より欲していると。
「…気が触れるほど、くれてやるよ」
ぎらりとした眼の光に射竦められ、三成は高虎にすべてを投げ出した。
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高三書きたいーという欲望だけで書きました…文字通り「やおい」ですみません…。