Short◆S-H

□断片
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最後に焼き付けたのは友の笑顔と、淡い水空。

何も映さなくなった己の瞳もまた空の色だと、友は言った。


最期に側に居たのは、あれは――。



(断章)



「…継…吉継っ」
「高…虎…? お前が…?」
「ああ見えるんだな…良かった、本当に良かっ…」


己をかき抱く腕は紛れもなく最愛の彼のものだ。それを己は知っているが、目にしたのはこれが初めてだ。まだ薄ぼんやりとしているが、部屋が暗いからだけではあるまい。

「具合悪くないか?」
「ああ、大丈夫だ。まだぼんやりとしか見えないが」
「そうだろう。光にはゆっくりと慣れさせなきゃならんそうだ」

手術は成功した。己の眼は光を取り戻す――長い長い、闇の果てに。

「……空」
「ん?」

「早く、空が見たい」


遠い遠い昔に見た、あの淡くて優しい水空を。





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ほんっとに断片ですみません…無駄にシリアス風味だし。
輪廻転生モノというか記憶持ちの現パロ高吉をやってみたいとちらと思いまして…でもこれ書いたら何かスッキリした(笑)。いつか書くかもしれません…。

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