Short◆S-H

□天眼暴走
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使うつもりなどなかった。
ただ、庭の芍薬に向ける情人を見ていただけだった。



彼は芍薬の中に、関ヶ原で義に散った西軍の将――己の親友――を見ていた。

語りかける言葉は聞き取れないが、その音は静かで、少しの悔恨を含んでいた。

芍薬に向ける視線が辛そうだと感じたのは最初だけ、今は愛しいと言っているよう。

ちり、と胸の真ん中で焦げる音がして、次にどろりと重いものが胃の腑に流れた。


それは、妬みが成したもの。


今は亡き大切な親友に対してあまりにも浅ましい感情に己の内が悲鳴をあげる。


身体中を駆け巡る負の感情と、構え無しに発動させてしまった天眼の反動に押し潰されて、くらりと意識が遠のいた。


暗く閉ざされる視界の縁に、青ざめて駆け寄る情人の姿をとらえ、三成は知らず小さく微笑んだ。





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ウチの殿は嫉妬深いですな〜。
天眼ネタはギャグでもやってみたいです。頭の中殿ばっかりな虎とかね!春爛漫!花満開!みたいな(痛)

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