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□毒喰
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「三成っっ!!」
「高虎殿…何故…」
「こンの馬っ鹿野郎っっ」

 高虎のいつにない怒声と剣幕に、三成の顔色は蒼を超えて白くなった。



++++++++++

 話は一刻ほど前に遡る。

 登城していた高虎のもとに、三成の警護をしていた忍びが飛んできた。
 何事かと問えば、三成が倒れたという。しかも、倒れたのは屋敷ではなく城のとある一室との報告に、高虎は疑問を質す間もそこそこに、三成のもとへと駆けた。

 三成は薬を飲んで眠っているとのことだったため、起きるまでの間、医師に診立てを聞く。

 原因は――毒、という。

 幸い忍びがすぐに吐かせ、医師を連れてきたために大事はなかったが、そもそもの原因に、高虎は血の気が失せた。

 三成は、高虎の膳を毒味していたという。しかも、それは今日が初めてではなかった。
 何故そんなことをさせると三成付の近習に叱責したが、いくら止めても聞かなかったという。三成の頑迷さは高虎も承知しているだけに、それ以上は責められなかった。
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