Short◆Brst

□Lady's Day
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「美鶴、今日は亘くんのところにお泊まりね」
委員会の仕事でいつもより遅く家に帰ると、いきなり叔母に宣告された。
何で、という思いが顔に出たのだろう。叔母が続ける。
「今日は亘くんのお母さんがこちらにいらっしゃるの。前からゆっくりお話ししたいって思ってたんだけど、明日はお休みだから、この際とことん語り合おうってことになったのよ」
何を語り合うのかは(怖くて)聞けなかったが、亘のところに行けるのは素直に嬉しかった。
ただ、問題が一つ。
「叔母さん、アヤは…」
「ただいまー!」
「こんばんは。お邪魔します」
アヤはどうするのかと聞こうとしたところで、新たな声にかき消された。
「アヤちゃんとマンションの下で会ったの。今日はお招きありがとうございます」
亘のおばさんが、挨拶をしながら叔母さんに手土産を渡した。
「こんばんは」
「こんばんは。亘のこと、お願いね。あの子張り切って料理作ってたわ」
亘が張り切ってる…目に浮かぶようだ。
思わず笑みがこぼれそうになったが、おばさんが自分を見たままなことに気づいて、慌てて言葉を継ぐ。
「いえ、こちらこそお邪魔します」
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