Short◆Brst

□笑顔のもと
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「久し振り、芦川」
「ああ、宮原。久し振り」
「…何かいいことあったのか?」
「何でだ? 小村」
「お前そんなニコニコしてたっけ?」
「フツーに失礼だな」
「カッちゃん、ミツルはいつもこんな感じだよ」
「そうだったかあ? もっとスカしてた気がするけど」
「…小村は変わってないな」
「そこがカッちゃんの良いところだよ」
「確かに。小村じゃ仕方ないって思えるもんね」
「…何か引っかかるなあ、宮原」
「そう? 気のせいだよ」

堪え切れず、美鶴が吹き出し、つられるように他のみんなも笑い声を上げた。


「…やっぱり芦川は変わったよ」
小声で、宮原が芦川に耳打ちする。
「そうか? 自分じゃ分からないけど」
美鶴は本当に分かっていないらしい。案外抜けているのかなと、つい口許が笑みの形を作る。
バカにされてるのかと、幾分不機嫌になった美鶴に、宮原はにっこりと笑いかけた。


「芦川が変わったのは、三谷のおかげなんだよな」

あまりにも直球な言葉に、何の構えもしていなかった美鶴は真っ赤になってしまった。何か言おうにも言葉が出ない。
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