Short◆Brst

□もやもやのもと
1ページ/6ページ


「……芦川、ゴメン!」
そう言って小村は勢いよく、俺に頭を下げた。


++++++++++


「芦…川…?」
宮原の視線の先を歩いていた亜麻色の髪が、訝しげに振り返った。
「宮原に小村か。久し振り」
自分を呼んだのが友人だと分かって、芦川は笑顔を見せた。気の置けない人間にだけ見せる無防備な笑顔に、小村は何故か眩しいものを見るかの如く目を細めた。
ふと隣の宮原を見ると、呆けたように固まっている。
芦川にみとれているようにも、見える。

(…? 何だ?)

そう思った瞬間、胸の真ん中がチクリと痛んだ気がして、小村はわずかに顔をしかめた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ