Short◆BSR

□望む光は
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「卿は光を望むか…」

嘲笑うような松永の声が聞こえる。

「何でそう思うのかねぇ? 確かに俺様は闇の忍びだけどさあ」
「私には見えるのだよ。人が望むものが。卿の内にある焦がれた光が」

望むがいい。それが破滅を招いても。

見透かすような松永の声に、佐助は無理矢理いつもの笑みを浮かべた。

松永の兵は強い。不死香炉なる禁術を用いているせいも多分にあるが、各々が果たすべき役割を心得ているようだった。
確実に体力を削られながら、それでも佐助は突き進む。それは我が主の為。そして。

「…成程。卿の望む光は――」
「ちょっと、もうすぐ行くからさあ、黙って待っててくれないかなあ」
「ああ、済まないね。退屈でついおしゃべりしたくなるのだよ」

皮肉のこもった声が響く。苛立ちをかき消すように、辺りの兵を薙ぎ払った。


松永の口からは彼の人のことなど言わせない。その前に倒す。

彼の人を陥れた、それだけで罪深い。


早く早くと急く心を押さえ付け、佐助は深く呼吸をした。

破滅など恐れるものか。

己が内にある、幼馴染みの美しい光も、我が主の焼け付くような光も、それは守るものであって手に入れたいものではない。


望むのは、貫く光。


佐助自身をも滅ぼすであろう、あの雷光。





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松永強いよ!負けました〜。
まあフツーに考えれば光=かすがか幸村なんでしょうが、まあアタシ佐小だしね!
しかし伊達主従は雷同士かい…しょっちゅう感電してそうだよ。

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