Get&Gift
□【Gift】夢なら覚めて
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ごめん、佐久間さん。はじめに言われたこと、ようやく今分かったよ。
「分かった…? 何が」
俺が子どもで、周りが見えてなかったってこと。だから、近くにいた佐久間さんを好きだなんて、勘違いしちゃったこと。
「…勘違い」
そう。今までごめんね。もう、自由だよ。
「じ、ゆ」
さよなら、佐久間さん。
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「…っ…! 敬っ!!」
煩いなあもう、今別れたばっかりじゃん。
「敬っ! しっかりして」
しっかりして…ないか、な。ははは。いや結構堪えるねフラれるのって。
「お願いだから、目開けて」
イヤだよ泣き腫らした赤い目見せるなんて。
「敬? 苦しいの?」
あ、ムカつく。ちょっとその言い種酷くない?
「誰のせいだと思っ」
「敬っ!! 大丈夫? 死なないで」
「…え? 何で佳主馬が泣きそうなの? 自分から別れるって言ったのに」
おかしくない? という言葉はひっくり返った視界と一緒にくるりと回ってどこかへ消えた。
抱き上げられたのだと気づいたのは、ベッドに下ろされたあとだった。
「何で具合悪いのに呼んでくれないんだよ!」
その一言で、佐久間の夢と現はようやく切り離された。