Short◆Brst

□始まりは夏休み
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「いいよ」
拍子抜けするくらいに、宮原は庭のヒマワリ観察を許可してくれた。
「ホントに?」
「ホントだって。どうせだから僕もこれにしようかな」
「マジで!? 宮原がついてくれたらヒャクニンリキだ」
「そんなことないよ、えーっと…」
そういえば、まだ小村を紹介してなかった。顔くらいは分かるけど、一度も同じクラスになったことがないはずだ。
「小村克美。よろしくっ」
「そうだ、飲み屋の小村だよね?」
「へ? 知ってんの?」
「母さんたちの会合場所だからね。前にお土産って唐揚げ貰ったことがあるよ。ショウガとニンニクが効いててうまかった」
「なんだ、そうだったのか。それはそれは毎度アリガトウゴザイマス」
「いえいえこちらこそいつもお世話になってます」
 二人してよそいきの挨拶をして笑い合う。

紹介も済んだところで、早速翌日から観察することになった。ラジオ体操の後、直接宮原の家に行って日記をつけるのだ。
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