Short◆Brst
□ためいきのもと
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「あれ? カッちゃん、あの二人…」
「宮原んとこのチビッコじゃねえか」
もう夜が始まろうという夕闇時、居酒屋「小村」の前に小さな影が二つ、手を繋いで立っていた。
「どうしたの? 二人して。宮原のお使い…なわけはないよね」
大事な弟妹に、しかもこんな時間にお使いなど、あの宮原がさせるはずはない。
「お前らがココにいること、宮原は…」
「ないしょ」
「…だろうな」
どうやって家を出たのかは分からないが、ここにいるならば、誰に会いに来たのかは分かる。
「オレに何か用なのか?」
小村が屈んで聞くと、二人はこっくりと頷いた。
「かっちゃんとわたるに」
「え? 僕も?」
二人はもう一つ頷いた。
「どっちがお兄ちゃんとケンカしたの?」
「………へ?」
あまりにも突拍子な質問に、僕らは思わず顔を見合わせた。