Short◆Brst
□Last Millennium
2ﾍﾟｰｼﾞ/6ﾍﾟｰｼﾞ
「誰だって好きな人がいれば嫌いなヤツもいます。でも、自分にとって嫌なヤツがほかの誰かにとってはかけがえのない大事な人なんです。大事な人を犠牲にしなければならない世界はおかしいと思うんです」
「けれど、争いはなくならない。どうしようもない力に、犠牲を強いられることもあるでしょう。光の人柱がなくなっても、何一つ変わらないのかもしれませんよ」
「そうかもしれません。けれど、人柱になることほど辛い罰はないと思うんです」
「人柱を…罰、と言うのですか？」
「…はい。人柱になったら、最初は大切な人を守れることを喜ぶかもしれません。でもきっと寂しくなるしみんなを恨んでしまう。自分の大切な人すらも…」
「僕が人柱になったらそう思うだろうし、大切な人が人柱になったらもっと悲しいです。そんな思いをさせてしまうことが辛いし、それ以上にそんな大切な人をいつか忘れてしまうことが辛いんです」