限りなく黒い白第三章
〜 回転式の輪舞 〜
愛、好、嫌、狂、憎、殺。
感情ってなんだろう・・・?
想い・・・
その人を考え、想い、大切に、慈しむ・・・
愛・・・
その人を求め、幸せや、求められ、時に、苦しみ、憎み、やがて、愛か憎に染まっていく・・・
想うだけなら、楽なのかな・・・?
愛さなければ、苦しむ事もないのかな・・・?
止まらない気持ち・・・
愛してしまった・・・
この気持ちはどうしたら・・・
人を愛することに、コントロール何て出来るのかな・・・?
出来ない何かが「愛」なんじゃ・・・
だとしたら・・・
僕は・・・
もう・・・
彼女ヲ・・・
[しらひめ]
黒っ? 黒っ?
大丈夫〜?
彼女が優しく微笑む・・・
[黒]
んっ?・・・
いやっ・・・あの・・・
大丈夫だよ!
少し疲れがたまってるのかな・・・?
(又、自分を隠す・・・聞いてもらいたい筈が、偽りを重ねる・・・彼女に嫌われたくないから・・・)
[しらひめ]
・・・
黒、ごめんね。
本当は嫉妬してたの・・・
酷いことしてごめん。
[黒]
しらひめが謝る事じゃないよ!
しらひめは何も悪くないから・・・
多分悪いのは全て・・・僕だから・・・。
しらひめへの愛が全てを狂わせている・・・
しらひめも元カノも周りの人達も・・・
・・・そして・・・僕も・・・
それでも、このまま狂っていたい・・・しらひめの傍で・・・例えそれが夢幻だったとしても・・・
僕は変態なんだろうか?
こんなにも傷ついて・・・
こんなにも苦しい・・・
なのに・・・
想いが・・・
愛が・・・
苦しみが・・・
憎しみが・・・
止まらない・・・
答えが見付からない・・・
でも、心はしらひめだけを見つめている・・・
正しいの・・・?
分からないけど・・・
真実はきっと・・・
[しらひめ]
黒っ!
カラオケ行かない?
彼女は本当に純粋に楽しい事が好きで、それがそのまま他の気持ちにも反映される・・・
それに比べて僕は・・・
汚ない・・・
[黒]
良いよ!
久しぶりだね♪
彼女と逢うようになって、色々な詩と歌を覚えるようになった。
全ては彼女に聴いてもらいたいから・・・
勿論、自分も好きになれたからと言うのもある・・・
どっちでも良いか・・・
彼女が喜ぶなら・・・
僕が歌い始めると、始めは騒いでいた筈なのに・・・
終盤に彼女の方を見てみると・・・
真面目に僕を見ながら聴いている・・・
その姿にドキッとする・・・
目と顔を反らし、歌に戻る・・・
嬉しい・・・
人は素直な気持ちにも直面したときに、素直な行動に出れないのかな・・・?
今までは何気無く言葉を返せていたのに・・・・
彼女には気持ちが優先して言葉が返せない・・・
彼女は気付いているだろうか?
僕のメッセージに・・・
続
限りなく黒い白三章第二部〜 歪む未来 〜
彼女は相変わらず微笑んでいる・・・
何故彼女は僕に固執するのだろう?
安定した生活が在るのに・・・
彼女とも遊びに行くことが慣れてきた・・・
初めの様な不安は自然に無くなっていた・・・
食事、カラオケ、温泉、自宅・・・
しかし、それら全てが新鮮に何時まで経っても色褪せる事のない、変わることのない気持ち・・・
どうして朽果てていかないんだろう・・・?
今までなら必ずといっていい位に・・・
朽果て・・・
苦心して・・・
棄てられていたのに・・・
彼女は何もかもが違いすぎる・・・
時々、怖くなる・・・
素敵過ぎるが故に、喪う事の怖さ・・・
失いたくない・・・
彼女がいきなり・・・
[しらひめ]
黒は何で私をそんなに想ってくれるの?
心にまだ最愛の人が居て・・・
現実には旦那が居て・・・
く、黒は愛人なんだよ・・・!!
黒が真剣に想って、けして遊びじゃないのも分かってる・・・けど!
僕は聞きたくなかったのか、乱暴に彼女の唇を塞いだ・・・
(うるさい!僕はもう、君無しでは生きていけない、心と体になってしまったんだ!!)
心がそう叫んだ・・・
彼女には言えなかった・・・
何故?まだアイツが居るから・・・?
多分、そうだろう・・・
それを言ってしまったら、大切な今が崩れ落ちて、消えてしまう・・・
それを思うだけで、胸が苦しくなり、目眩に襲われる・・・
いっそ言ってしまって、解放と自決を選んだ方が・・・
望んでもいないことを、脳内が囁く・・・
僕は何処かで決心出来ずに逃げたがっているのか・・・・
フッ・・・
自分の決心の緩さに腹立たしくなる・・・
自分で決めた信念がこうも簡単には揺さぶられると、自分を疑いたくなる・・・
心が叫ぶ・・・
もう、何もいらない・・・
その瞬間・・・
彼女の存在が深く・・・重く・・・僕の中に・・・今まで以上の存在になった・・・
声がこだまする・・・
また苦しみたいの・・・?
ハハッ・・・
そうだよな、苦しいよな。
不安定過ぎる自分にさえ、何も出来ない・・・
不安な気持ちが押さえられない・・・
僕の心が衰え朽ちていく・・・
もうダメなのか・・・?
胸と背中がゾクッとした!
気がつくと、しらひめを乱暴にベットへ押し倒していた・・・
これで終わり・・・
何度もそう呟きながら、彼女を愛撫し続けた・・・
僕はどうなってしまうのだろうか・・・
続
限りなく黒い白三章第三部〜 繋がれた鎖と躯 〜
浮気・・・否定・・・愛人・・・罪悪感・・・
愛しさ・・・寂しさ・・・空虚・・・憎しみ・・・孤独・・・
その時間と空間の流れの中で木霊する二人の感情・・・
多分・・・僕も彼女も何も考えていなかったのだろう・・・
その美しくも、醜い、乱れた行為のなかで・・・
お互いの純粋な愛を確かめ合った・・・
そして、1つの事を理解する・・・
お互いが望んでいたのは、
綺麗な恋・・・
純粋な愛・・・
そんなものではなく・・・
求めていたのは、互いの心・・・
その行為は互いの心の確認する為に・・・
途切れ、途切れに流れ出る吐息・・・
お互いに傷付けあい、付けた無数の赤い華・・・
いみじくも、小さな誓い・・・
そんな証でさえ、小さな一歩だと思えた・・・
制限されている、リアル・・・
2人が解き放たれる空間に僕は未来をみていた・・・
限りなく黒い白三章第四部〜 唄 〜
〜想〜
流れる時間・・・
変わらない距離・・・
それでも・・・
もし一つ願いが叶うなら、眠る前に君に想いを告げよう・・・
〜苦〜
挫折・・・
苦悩・・・
過ち・・・
雨の中僕は叫ぶ・・・
君への想いを・・・
この声は届いているかな・・・?
僕は雨のオーケストラ・・・
君への想いを詩にのせて・・・
この雨達と共に・・・
〜約束〜
不透明な色・・・
未完成な優しさ・・・
永遠は無いの・・・
汚れた僕に・・・
君は優しく・・・
舞い降りた・・・
誰も触れられるはずのない・・・
扉に・・・
舞い降りてくる・・・
〜愛〜
運命的な・・・
出会いを・・・
二人を結んだ赤い糸・・・
貴女の指も髪も声も心も体も・・・
私独りだけのもの・・・
残・・・
白き指輪・・・
音をたてて・・・
崩れ始める・・・
続