長編☆
□題名のない物語@
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─れいな視点─
『…今日…も仕事…。有り得んっちゃ…絶対会うやん…。
学校来る日も何気に被るし…何でれなが報われん恋とかせないかんと…??』
SHRが終わると直ぐに屋上へ急ぐ。
上鞄を格子に当てる様に投げつけ、
鞄の直ぐ隣に腕を広げて仰向けに寝転がる。
空は橙に染まり雲が緩やかに動く様を見上げながら一人小さく呟いた。
どれだけ仕事が詰まっていても毎日屋上に上り、
こうやって夕焼け空に呟きかける。
誰にも聞いてもらえない気持ちを答えが返ってくる筈もない空に―───
『ぅわっ!!ヤバイッ…
今日詰まっとる日やん…。原チャ飛ばしていかな絶対間に合わんし!!』
懐で携帯がブルブルッと鳴ると、
虚ろだった瞳に光が戻る
携帯で時間を確認
ガバッと起き上がって鞄を掴み、
髪を手櫛で戻しながら走りだす
階段を煩く音をたてて駆け降り、
靴箱から靴を出して上靴を投げ入れて校門を出る。
原チャは学校では原則禁止やけんι
学校から程近いマンションの駐輪場に止めてるっちゃι
其にエンジンを掛け、気付かれない様にサングラスを掛けて収録場所までバイクを飛ばした。
………
その頃収録場所では…
「こるぁー!!田中はまだ来てなぃのかょっ!!今日こそは遅れないってあれだけ約束しといてこれかよ…あたし早くしないとセリフ忘れそうでヤバイんだよι」
リーダーのよっすぃが怒って居た。