short story

□ある屋敷にて―人形師と姉妹―
1ページ/11ページ

 ある所に、マリアとラミアという双子が居ました。
姉は金を紡いだ髪に薔薇色の頬、藍玉の瞳を持ち、
妹は夜を紡いだ髪に白磁器の頬、黒曜石の瞳を持っていました。
二つの卵から生まれた彼女らは、しかし仲むつまじかったのです。
 ラミアは生まれつき目が見えませんでした。
マリアはそんなラミアの為に、周りの風景を事細かに報告してあげました。
裕福だった彼女らの家には、
ラミアの目が見えない事で彼女らを悪く言ったりする事はありませんでした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ