middle story

□紅姫2
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 お姫様は二人の侍女と一緒に塔の中で暮らしていました。
お姫様が年頃になると、高い塔のてっぺんで毎日歌を歌って過ごしていました。
おとぎ話の様に王子様がこの歌声を聞きつけて、迎えにきて欲しいと思ったからでした。
 けれど実際にお姫様の声を聞いてやってくるのは、大空を舞う鳥達ばかりでした。
それでもお姫様は鳥達にねだられれば、毎日の様に美しい歌声を聞かせてやりました。
 ある時その美しい歌声を聞きつけて、お姫様の元に蒼い風がやってきました。
蒼い風はお姫様に

「私はこんなに美しい歌声の人間がいるとは知りませんでした。
貴女は本当に人間なのですか」

と問いました。
お姫様は困った顔をして

「分からないの。
侍女達は私の事を死神だと言うから」

と答えました。
蒼い風は首を振って

「死神はこんなに美しい声で歌う事は出来ません。
何よりそんな美しい赤い翼など持っていません」

と言います。
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