short story
□醜い娘
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二人の姉は、その街で一番美しく聡明で、
また、たくましい青年に恋をしました。
けれど二人は醜い争いを好まなかったので
「彼が美しいと言った方が彼の嫁になる」
と言う約束を交わしました。
ある時妹が森の近くの小川で、身を清めていました。
その森は化け物がすむと言われていたので、街の人間が近づく事はありませんでした。
なので、妹はそこで身を清める事に決めていたのです。
しかし、狩りに夢中になった青年が、身を清める妹の姿を見てしまいました。
青年は一目で妹の事が好きになってしまいました。
次の日から青年は何度も妹の元を訪ね
「私の妻になってください」
と求婚し続けました。
「いいえ、私の様な醜い娘をめとれば、
貴方はこの街を出なければなりません」
かたくなに妹は首を振りますが
「そんな事はありません。
貴女はこの街で一番美しい。
もしも貴女が私の元へ嫁いでくださったなら、
私はこの世で一番の幸せ者になるでしょう」
と青年も食い下がります。