short story

□ある屋敷にて―人形師と姉妹―
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 さて、アレンの人形作りが始まると
マリアとラミアは別々にアレンの作業場に呼ばれました。
全く同じ大きさの人形を作る為に採寸をしなければならなかったからです。
 妹が部屋に呼ばれると、その部屋は埃っぽい匂いがしました。

「散らかっていて、申し訳ない。
どうか何かに躓いて転ばないでおくれよ」

 採寸の為に服を脱いではくれないかと頼まれましたが、
妹はいつも姉に手伝ってもらっていたので自分で服を着脱した事がありませんでした。
妹が困っているとアレンは笑って妹のドレスに手をかけました。

「叫び声なんてあげられたら、
僕はこの家から追い出されるばかりか、きっと打ち首になるんだろうね」

 妹はきつく目を伏せてアレンの甘い声と冷たい掌の感触を感じていました。
アレンの掌は驚くほど硬く、ごつごつとしていましたがその動きは繊細で、
妹は何も言わずに採寸が終わるのを待っていました。
 妹の採寸が終わりました。
姉は妹の部屋のベッドの上に腰掛けて
ぼんやりと窓の外を眺めていましたが、妹がドアを開けるとすぐに妹に顔を向けました。

「おかえり、
私の可愛い妹」
 
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