middle story

□BLESSING―死の女神―2
2ページ/4ページ

 正直、怖かった。
 当たり前だ。
普通の、少なくとも普通に見える女が、獣みたいな声で、人間を屠ってるんだから。
 俺たちは、町に帰った。
 けどどういう運命のいたずらか、そこにはさっきの女がいたんだ。
 でかい方がこう言い出した。

「あの女、ちょっと遊んでやろう」

 もちろん止めた。
けど細い方まで「やろう」って言い出して多数決でやることになった。
 方法は、まあ地元のチンピラがよく使う手だ。
挟み撃ち。
 でかいのが正面にいて、気を引いた隙に俺たちが後ろからガツンと頭を殴って気絶させる。
そして後は……あまり話したくないな。
やめよう。
 そして実行した。
俺はやる気がなかったから
細い方にブロックを持たせた。
俺は見張りをする、とか適当なことを言って逃げた。
 ずるいんだ、俺は。
 挟み撃ちが成功したらしく、ブロックのごつんって音が聞こえて振り向いた。
 俺は驚いた。
 それは死の女神にそんなことをしても、成功するはずがないとは思っていた。
けど。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ