middle story
□BLESSING―死の女神―2
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話終え、男は静かに息をついた。
「恐怖は、罪になるのか?」
「わたくしは」
女が述べた。それだけ言って、暖炉に火を灯す。
ぱちぱちと薪の爆ぜる音が聞こえた。
「わたくしは、あなたにこれで罰を下そうと思います」
女はすっくと立ち上がる。
男は考えた。
この寺院で罪を償えと言うのか?
しかし。
「髪……。
赤い、髪……」
暖炉の激しい光は、女の髪へ吸い込まれて行く。
「話したら殺しに行く。
次に会ったら殺す」
「ひっ」
女神と同じ声で、女は言った。
「全ては神の意のままに」
女はゆっくり振り向いた。
手には、抜き身のブレード。
女神が愛用する
ルサンチマンを手にしていた。
「た、たす……」
「あなたに祝福を。
あなたの死に祝福を」
女神は微笑む。
「そして、わたしの全てに祝福を」