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□唄う森2
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 男は目を覚ましました。
そこは美しい泉の畔で、男は天国に違いない、と思いました。
 不思議と少女の歌声が聞こえて男は声のする方へ目をやりました。
 少女は泉で水浴びをしていました。
 その身体のどこにも樹の痕はなく、しなやかで美しい少女の身体そのものでした。

「私はこの森で唄う事が、何よりの幸せなのです」

 少女は男に気がつくとにっこり笑っていいました。
 男は少女の身体を自分のマントに包んでやると、そっと少女を抱きしめました。

「楽器を奏でてくださいますか」
「ああ、勿論」

 そうして、唄う森からは少女の歌声と男の楽器の音が聞こえてくる様になりました。
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