ダルいズム。

□僕のいくところ、君のいるところ。
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 人並みか、多少低めの顔立ちだと思う。
決して美しくも、愛らしくもない。
各部位に挙げる事は可能でも、全体の評価は中の下だ。

「大、丈夫です」
「そか。よかったよかった」

 頭をぽんぽんと叩くと、少女は困ったような顔をして圭を見上げた。
その様子は、愛らしい。圭はくすりと笑った。

「あの……」

少女は非常に困った顔をしている。
その様子は、本当に愛らしい。

「退いて、いただけませんか」
「ああそやねぇ」
「あの‥‥」

 しっかりと抱きしめているために少女はその腕を振り払う事も出来ない。
その上助けてもらったと言う事実がある以上騒ぐ訳にもいかない。
少女は板挟みに、辟易しているようだった。

「職員室まで案内してくれたら、放したげるわ」

 困った様子は可愛いかったが、本来の目的を思い出し思いつきを提案してみる。
意外にも少女は冷静に頷いた。

「分かりました」

 そう言われては退かない訳にはいかない。圭は苦笑してその身体を解放した。
 少女は素早く立ち上がると衣服の乱れを手早く直し、
そうしてようやく首を傾げた。

「どういった御用件ですか?」

制服の異なる事に気付いたらしい。
この学校のワイシャツは指定のもので襟にラインが入っている。
真っ白な圭のシャツはそのまま他校の生徒であることのしるしだ。
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