ダルいズム。

□青い春2
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 春太もハーフである為一般に目立つ容姿をしている。
天然の金髪、碧眼に異国的な顔立ち。
しかし奇抜な友人のおかげで春太自体が注目される事は少なかった。
 本鈴が鳴り、慌てて廊下を走る。
途中で自分達より後から階段を上る教師の姿を見て安心したのは言うまでもない。

「遅かったな」

 声をかけてきたのは友人の宏だった。

「おはよ。また怪我増えてないか?」

 春太が指摘するとむっつりと黙り込んで頬のガーゼに触れた。
 宏の怪我は今に始まったことではない。
入学式の一週間前に喧嘩で大怪我をして初登校は二週間を過ぎた辺りだった。
頭に包帯を巻いていて酷く目立っていたのは鮮明に記憶している。
 そしてそれから怪我が耐えない。
いくら部活から退部にするぞと脅されても収まることがない。
試合の出場はさせてもらえないのだが朝練習には欠かさず参加している。

「朝に告白するのは止めて欲しいよね。
まあ春太が来て助かった」
「俺はどうしようってすごく焦ったけど」
 
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