ダルいズム。
□青い春4
4ページ/8ページ
理央は部活に、絵梨花は図書館へ行くと言って二人はそれぞれに帰っていった。
春太とのばらは肩を並べて今朝来た道を逆にたどっていた。
「……」
何か言おうとしたが、
何も見あたらず春太は口を閉じる。
のばらの視線は鋭く、恐いと言っても過言ではないはずだった。
「……何できたん?」
のばらは、小さく言った。
春太は困った様に頬をかくと
自分より少し低い位置にあるのばらの頭を見て溜息をついた。
「別に、格好良くしようとか、思ってないけど」
夕日に照らされて
きらりと輝く野薔薇の髪は美しい。
頭の、どこか場違いな所でそう考えていた。
「あのまま何もしてなかったら、
俺すごく後悔してたと思う」
「そうやろな」
「それが、嫌だったから」
のばらは足を止めた。
何か不思議なものでも見る様に、黒い瞳が青い瞳を覗き込んだ。
「自分本位なんだよ、結局」
嫌な思いになるのが嫌だったから。
それだけ。