ダルいズム。

□青い春4
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 理央は部活に、絵梨花は図書館へ行くと言って二人はそれぞれに帰っていった。
 春太とのばらは肩を並べて今朝来た道を逆にたどっていた。

「……」

 何か言おうとしたが、
何も見あたらず春太は口を閉じる。
のばらの視線は鋭く、恐いと言っても過言ではないはずだった。

「……何できたん?」

 のばらは、小さく言った。
春太は困った様に頬をかくと
自分より少し低い位置にあるのばらの頭を見て溜息をついた。

「別に、格好良くしようとか、思ってないけど」

 夕日に照らされて
きらりと輝く野薔薇の髪は美しい。
頭の、どこか場違いな所でそう考えていた。

「あのまま何もしてなかったら、
俺すごく後悔してたと思う」
「そうやろな」
「それが、嫌だったから」
 のばらは足を止めた。
何か不思議なものでも見る様に、黒い瞳が青い瞳を覗き込んだ。

「自分本位なんだよ、結局」

 嫌な思いになるのが嫌だったから。
それだけ。
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