ダルいズム。
□7月7日、曇り。
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「ねえジョアン、
織姫と彦星は一年に
たったの一度しか逢う事ができないんだよね」
「そうだよ。
部長さんは日本人なのに
そんな事も知らないのかい?」
「いや、知ってるよ。
それでさ、ジョアンが一年に、
たったの一度しか
絵梨花に会えないとしたらどうする?」
ジョアンはさっと顔色を変えた。
根が真面目な為に、
何でも真剣に考えるのだ。
うんうんと唸って、
ジョアンはようやく結論を出した。
「困る。とても困ってしまう」
意地悪く片方の唇を吊り上げると、
有重はずいとジョアンに迫る。
「もしその一年に
たったの一度の逢える日が来たら
ジョアンはどうする?」
「そんな事は
決まっているじゃあないか!」
ジョアンは胸を張って答える。